暗号を作ったときの話。
拙著「居酒屋ろいどパズル倶楽部」には、暗号を扱うストーリーがある。
その暗号を作ったときの話。
メインとしては、私の暗号の作り方、だろうか。
ちなみに、暗号学ともいえる置換式や転換式、鍵がどうこうという話はしない。
実際に暗号を作ってストーリーに仕上げるまでの備忘録的なメモである。
で、本題。
「居酒屋ろいどパズル倶楽部」内の暗号
「居酒屋ろいどパズル倶楽部」内でメンバーの面々が解いた暗号を、作った際の道筋と、それをどうやってストーリーにしたか。
まず、暗号のネタバレはしたくないので、ところどころぼかす形になるが、始まりは、楽譜の音符で暗号を作ろうとしたことだった。
楽譜の音階や音符の種類をアルファベットに対応させて文章を作れば、ひとつの暗号となる。
でも、これは全く同じ暗号はなくても、それに近いものは某漫画で使用されていたし、ストーリーにする上でミスリードが作れない。
もう一つひねりがいる。
そんなメモが長らくネタ帳の中にあったのだけれど、それが昇華したのは、「とある事柄が他の名称で表現される」というヒントだった。
元ネタ+ヒント=暗号
そのヒントがどこで得られたかは、既に調べることはできない状態だけれど、とりあえずそんなヒントを手に入れた。
「とある事柄が別の名称で表現される」というのは、例えば二つ名や綽名、空港コード、国と漢字の対応(米、仏、英、西、加など)、十二支と標準使用の漢字(子=鼠、戌=犬など)、元素と元素番号などなどである。
各種事柄と数字の対応のあるものから、アルファベットのようにその順番をそのまま数字であらわすなんて、そのままもそのまますぎる。
暗号→ストーリー
暗号からストーリーにするには、その暗号の種とも言える対応が見つかって、一般的でなければ良い。
一般的でないから、ヒントを話の中にちりばめて、演者を答えにたどり着かせる過程をストーリーにできる。
一般的ではないけれど、言われてみれば確かにそう! という絶妙な対応であればさらにいい。
暗号を残したキャラがその分野に精通しているとか、普段からそんな使い方をしていたとか、ヒントも設定できるし、ミスリードで違う解法を付け加えてもいい(ま、違う解法が成り立つのは、かなりうまく作らなくてはならないし、その否定の証拠も用意しなくてはならない)
で、拙著ではどうしたか。
拙著では、数字が答えとなる暗号だったので、とある事柄の対応による暗号を作った後、そこから2ひねりほどして数字としている。
そのひねりの部分で別解も絡めたり、最後のひねりが上手くいかなかったりというストーリーにした。
最後のひねりの部分で最終的な答えにたどり着かず、それまでの解法はそれ以外ないほどバッチリ嵌っているだけに、演者の頭を悩ませる演出とした。
キーワードの抜き出しは、これ以外にないというほどバッチリ嵌っているのに、そこから答えである数字への変換が上手くいかないという状況だ。
最後のひねりまでの「バッチリ嵌っている解き方」は正解なのだけれど、答えの数字にたどり着かない。
で、とある発想にて、数字に変換されて、めでたしめでたしなのだけれども。
もちろん、その最後のひねりをクリアするヒントは、先に登場させていたので、アンフェアでもないかなとは思う次第だ。
暗号の方も単純な数字→文字ではなく、詩文に仕上げてみたので、ご興味のおありの方は手に取っていただければ幸いです。
上の暗号のお話は、「冬の風の中で」として収録。

